イエメンのシーア派武装勢力が政権掌握宣言
(CNN) 中東イエメンの反体制派であるイスラム教シーア派の武装勢力「フーシ派」は6日、政権掌握を宣言、議会に代わる組織や大統領評議会を樹立すると発表した。
同派は今年に入り武装闘争を先鋭化させ、首都サヌアで大統領官邸や政府庁舎などを制圧。ハディ暫定大統領や高官らは辞任を表明していた。政情の一層の混乱を回避するため国連主導による協議が約2週間続いていたが、フーシ派の今回の行動は話し合いの決裂を意味する。
ただ、フーシ派の宣言に対するイエメンの他勢力や外国政府の反応は伝えられていない。イエメンはイスラム教スンニ派が多数派。
米国などはイエメンを対テロ戦の同盟国と位置付け、同国に拠点を築く過激派「アラビア半島のアルカイダ(AQAP)」掃討を進めてきたが、フーシ派の権力奪取宣言でこの作戦に影響が出る可能性がある。
同派は「革命委員会」が今後、イエメンの最高意思決定機関になると発表。同委が、現在の議会の代替組織となる「暫定国民評議会」の設立に当たる。同評議会の定員は551人。
評議会はまた、大統領評議会を構成する5人を選出する。大統領評議会の任期は2年としている。