ガザ実効支配の「ハマス」、エジプトがテロ組織に指定
カイロ(CNN) エジプトの裁判所は2月28日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスを「テロ組織」に指定するとの判断を下した。
ハマスの報道担当者は記者会見で「衝撃的で危険な判断だ。パレスチナ人を敵視している」と非難した。
エジプトでは2013年夏、ハマスとつながりの深いイスラム組織、ムスリム同胞団を支持基盤とするムルシ前大統領がクーデターで追放された。ムスリム同胞団の指導者らはその後テロ支援の罪などに問われ、同国とハマスの関係は悪化の一途をたどった。
この日に判断を下したのは、緊急の事案を専門に扱う裁判所。ハマスの軍事部門、カッサム隊も先月、同じ裁判所によってテロ組織に指定された。
ただエジプトでは先週、テロ組織指定の手続きなどに関する新たな反テロ法案が可決された。同法は検察トップが指定を提案し、上訴裁判所がこれを承認すると定めているため、今回の判断については有効性を疑問視する声もある。
エジプトは長年、イスラエルとパレスチナの和平交渉で比較的公平な仲介者の役割を果たしてきた。今回の判断はこの立場に影響を及ぼす可能性がある。米国と欧州連合(EU)は、すでにハマスをテロ組織に指定している。