ISIS、キリスト教徒のアッシリア人29人を解放か
(CNN) 英国を拠点とする非政府組織(NGO)「シリア人権監視団」は2月28日、イスラム過激派「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が近く、シリア北東部で拉致した少数民族アッシリア人のキリスト教徒200人余りのうち29人を解放するとの見通しを示した。
シリア人権監視団によると、ISISの司法機関を名乗る組織が解放を命じた。この組織はアッシリア人司令官に対し、残る人質の扱いについてもイスラム法学者らが検討しているが、まだ結論は出ていないと述べたという。
ISISは2月23日、シリア北東部ハサカ県で複数の村を襲撃し、アッシリア人のキリスト教徒220人以上を拉致していた。シリア人権監視団によれば、人質は現場近くの山へ連行されたとみられる。
スウェーデン・ストックホルムに拠点を置く「アッシリア人権ネットワーク」の設立者は現地で活動するチームからの情報として、女性や子ども、高齢者を含め、少なくとも262人が拉致されたと話している。
シリア人権監視団が28日に発表したところによると、ISISは昨年6月の「建国宣言」以降、これまでに1969人を殺害した。このうち約3分の2に当たる1238人が民間人。6人が子ども、8人が女性だった。
残る犠牲者のうち、95人はシリアで活動する国際テロ組織アルカイダ系の過激派「ヌスラ戦線」のメンバー、511人は政府軍要員だった。
またISIS自体のメンバー125人が、宗教上の規定に違反したとして処刑された。
さらに数百人が行方不明になったり、ISIS支配地で収監されたりしているという。シリア東部では、シャイタト部族約1000人の消息が途絶えたままとなっている。