容疑者の兄が出頭呼び掛け、別の1人も逃亡か パリ同時テロ
一方、捜査状況に詳しい情報筋が17日、CNNに語ったところによると、当局は2人目の逃走犯がいるとの「強い疑い」を持っている。目撃者が撮影した現場のビデオに、車に乗った別の容疑者の姿が映っていたとみられるからだ。
カズヌーブ仏内相によると、仏国内では16日夜から17日朝にかけて新たに128カ所以上で捜索が行われた。
また対テロ当局者と情報当局者らによると、実行犯らが持っていたとみられる携帯電話が見つかった。このうち1台には、事件の少し前に送られた「準備はOK」という意味のメッセージが残っていた。専門家はこれについて、「攻撃のタイミングを合わせようとしたことがうかがえる」と指摘している。
事件の首謀者をめぐる捜査では、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の幹部の1人が浮上している。捜査当局に近い仏情報筋が17日、CNNに語ったところによると、仏当局などは事件前から、シリアへ渡ったとみられるベルギー人の幹部、アブデルアミド・アバウド容疑者の行方を追っていた。
同容疑者はISISの最高指導者アブバクル・バグダディ容疑者に近い人物で、今年1月に阻止されたベルギー警察襲撃未遂にかかわるなど欧州で複数のテロ攻撃を計画していたとされ、ISISの英語情報サイトでも取り上げられた。アバウド容疑者の居場所は現在も分かっていない。