容疑者の兄が出頭呼び掛け、別の1人も逃亡か パリ同時テロ
パリ(CNN) パリ同時多発テロに関与した疑いで国際手配されたベルギー生まれのサラ・アブデスラム容疑者(26)の兄が17日、CNNとのインタビューで同容疑者に出頭を呼び掛けた。一方パリ警察は、同容疑者のほかにもう1人逃走中の容疑者がいるとみて、確認を急いでいる。
アブデスラム容疑者の兄、モハメドさんはCNNに「弟に出頭を促したい。それが最良の道だ」「事件に関与したならもちろん責任を負わなければならない」と語った。
同容疑者のもう1人の兄、イブラヒム容疑者(31)は事件当日、現場で死亡した実行犯の1人とされる。モハメドさんはCNNとのインタビューで、容疑者兄弟が過激思想に傾倒していったのは気付いていたが、テロを計画しているとは全く知らなかったと語った。
「弟たちは普通の人ではない。準備段階でも決して疑いを持たれないように振る舞うから、毎日会っていたとしても行動はごく正常に見えた」という。
ベルギー検察がCNNに語ったところによると、両容疑者は今年2月に警察の取り調べを受けていた。イブラヒム容疑者は年明けにシリアへの渡航を試みたが、トルコ当局に送還されたという。その後の取り調べでは2人ともシリア行きの意図を否定し、釈放された。
ベルギーの警察は16日、アブデスラム容疑者の自宅がある首都ブリュッセル近郊のモレンベーク地区で大規模な捜索を実施した。同地区はこれまでもイスラム過激派によるテロとの関連が指摘されていた。