パリ同時テロ 新たな容疑者を特定、テロ再発に警戒も
ベルギー・ブリュッセル(CNN) フランスとベルギーの警察は22日までに、昨年11月のパリ同時テロにかかわったとされる新たな容疑者を特定し、行方を追っていることを明らかにした。当局は、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が新たなテロを計画している可能性もあるとみて警戒を強めている。
新たに特定されたナジム・ラーシュラウイ容疑者(24)は、ベルギー南部と首都ブリュッセルでテロ容疑者らが使っていた民家から、DNAが検出された。同容疑者は2013年2月にシリアへの渡航歴があるほか、ブリュッセル郊外で18日に逮捕されたサラ・アブデスラム容疑者と一緒に昨年9月、ハンガリーのブダペストを訪れていた。
当局によれば、アブデスラム容疑者の逮捕によって、同容疑者が幅広い支援ネットワークの手を借りて新たなテロを計画していたことが明らかになった。ISISが新たな連続テロを仕掛ける恐れもあるとして当局は警戒を呼びかけている。
ラーシュラウイ容疑者については、危険人物と思われることから近付いてはいけないと呼びかけた。
ラーシュラウイ容疑者は「スフィアン・カヤル」という別名を使っていたことも分かった。捜査当局は以前、この名前の人物がパリ同時テロの首謀者とされるアブデルアミド・アバウド容疑者と連絡を取り、攻撃の指示を出していたらしいと話していた。
捜査当局はテロネットワークにかかわった人物の特定に全力を挙げる。しかしまだ全容解明にはほど遠い状況で、ベルギー連邦検察は21日、「パズルを構成するピースのうち一定数は入手し、一部はどの部分のピースかも分かった」「しかしパズルの完成にはまだほど遠い」と表現した。