アルビノの男女が美を競う、コンテスト初開催 ケニア
コンテストの舞台となった高級レストラン兼イベント会場で、ムワウラさんはスワヒリ語を交えて観客にこう語り掛けた。「私たちがムズング(白い人)でもペサ(現金)でもなく、人間だということを世界に知ってもらいたい」
ケニアの人々がアルビノを「ペサ」と呼ぶのは、近隣のマラウイやモザンビーク、タンザニアでアルビノの骨が非常に高く売れるといううわさがあるためだ。
アルビノの原因は遺伝子の変異だが、アフリカの一部地域では「のろい」と信じられている。母親が白人と不倫をしたからだと誤解されることもある。コンテスト出場者には、自分が生まれてまもなく父親が出て行ってしまい、母子家庭で育ったという人、村八分の扱いを受けているという人が多かった。
「私の母は周りから問い詰められて、自分にどこか悪い所があるのだと思い込んでいた」と話すのは、出場者のサイモンさん(20)だ。自分も自信が持てないまま育ってきたという。「現実を受け入れるのは簡単なことではなかった。生まれ変わって黒人になることはできない、自分は黒人の母から生まれたから黒人なのだと納得する必要があった」