中国、第2子出産への奨励金を検討 出生数の増加目指す
香港(CNN) 中国政府が2人目の子どもを持つ夫婦に奨励金を出す制度を検討していることが分かった。中国は昨年までに、夫婦1組の子どもを1人に制限していた「一人っ子政策」を廃止し、一転して出生数の増加を目指している。
28日付の中国英字紙チャイナ・デーリーによると、第2子出産の奨励策は、国家衛生・計画生育委員会(NHFPC)の王培安(ワンペイアン)副主任が2月25日、非政府組織の会合で明らかにした。
NHFPCが2015年に実施した調査で、経済的な理由から第2子の出産をためらう世帯が全体の6割を占めるとの結果が出たことなどが背景にある。
40年以上続いた一人っ子政策は、人口の急激な高齢化や労働者人口の不足などの問題が深刻化したことを受けて廃止された。中国の出生数はそれ以来増加傾向にあるものの、政府が掲げる目標には達していない。
北京大学の社会学者、陸傑華教授は、奨励制度を「明るい兆し」と評価する一方で、生活費や教育費が高騰している近年の状況を指摘。「出産よりも子育てにかかる費用をどう援助するかが重要。ほかの政府機関による努力も必要だ」と話している。