ベネズエラ反政府デモ、死者36人 装甲車が若者ひく場面も
(CNN) 南米ベネズエラで連日、マドゥロ大統領の退陣を求めるデモが展開されるなか、首都カラカス中心部で機動隊の装甲車がデモ隊に突っ込み、若者がひかれる現場をビデオカメラがとらえた。
ベネズエラ当局によると、同国ではこの1カ月のデモで少なくとも36人が死亡、700人以上が負傷している。
若者が装甲車にひかれる映像は3日に撮影された。ガスマスクやバンダナで顔を覆った若者らが機動隊に石や火炎瓶を投げつけたのに対し、警察が催涙ガスで鎮圧を図った。
装甲車は火炎瓶が命中していったん後退した後、煙を噴き上げながらデモ隊に突っ込んだ。頭に白い布をかぶった若者が下敷きになり、2人の参加者に助け出される。ジャーナリストのカメラがその瞬間をとらえていた。
若者はペドロ・ミケル・ヤミネさん(22)。母のマリアさんがCNNに語ったところによると、複数の骨が折れ、肺がつぶれる重傷を負った。容体は今のところ安定し、目を開けて手で合図するなど意識はあるものの、予断を許さない状況だという。
マリアさんは「息子はベネズエラの崩壊ではなく、発展を望んでいる」と強調。ペドロさんはカメラマンで、機動隊との衝突には加わっていなかったと指摘する。
レベロル内相兼法相は会見で、デモ隊が装甲車に火炎瓶を投げつけてドアをこじ開け、運転手を襲撃したと主張。参加者らを「テロリスト」と呼んで非難した。