英議会、EU離脱延期を可決 2回目の国民投票は否決
ロンドン(CNN) 英下院は14日、欧州連合(EU)からの離脱を延期する案を賛成多数で可決した。EU離脱を巡る膠着状態を打開するためにはもっと時間をかける必要があると認めた形だ。一方で、2回目の国民投票を実施する案は圧倒的多数で否決された。
英国のメイ首相は再びEU首脳との交渉に臨むが、EUに残る全27カ国が延期を認めない限り、英国は混乱状態のまま3月29日の離脱へと突き進むことになる。
下院の採決では離脱延期の計画が412対202の賛成多数で可決された。しかし閣僚8人が反対に回るなど、与党内の対立が続く状況が浮き彫りになった。
英国の国民投票でEU離脱が決まってから約2年。EU諸国もこの問題への対応を巡って不信感を強めている。
フランスのマクロン大統領は14日、英国の離脱延期について「時間稼ぎのための戦術的な延期にすぎない」との見方を示し、英国がEUに離脱延期を認めさせるためには目的が必要だと指摘した。
一方、EUのトゥスク大統領はツイッターで、「もし英国がEU離脱戦略について再考の必要があると判断し、それに関する合意を形成しようとした場合、延期が長引くことも受け入れるよう」、EU27カ国の首脳に呼びかけると述べた。