野党との妥協以外に「選択肢なし」 メイ英首相が認める
(CNN) メイ英首相は6日深夜、欧州連合(EU)からの離脱について、野党・労働党の支持を取り付ける以外に事態打開の道はないとする声明を出した。
メイ氏は声明の中で、自身がEUとの間で合意した離脱協定案は英議会で3回否決されていると指摘。与党・保守党内部と、政権に閣外協力する北アイルランドの地域政党、民主統一党(DUP)から過半数の支持が得られないなら、労働党と妥協するしかないと明言した。
この発言が保守党内の離脱強硬派からさらなる反発を招くことは必至だが、労働党との協議が成功する保証もなく、メイ氏にとっては危険な賭けといえる。
ただし、メイ氏は離脱案が議会で承認されたら辞任する意向で、もはや保守党内の支持を維持する必要はない。声明では与野党協力の道が「国益のため」になると強調した。
事態打開に向けた労働党との協議は4日から始まっている。労働党はEUの単一市場に残ることを主張しているほか、一部議員が再国民投票を求めている。
メイ氏は声明の中で、単一市場への残留や再国民投票の可能性を否定せず、与野党が合意している分野もあると強調。「双方とも域内での人の自由な移動は認めず、良い条件で離脱し、雇用を守ることを望んでいる」と語り、「これが議会で過半数を獲得できる妥協案の基になる」との見方を示した。
同氏は10日に開かれるEU首脳会議で、離脱期限を6月30日まで延期するよう要請する見通し。EUがこれに同意しなければ、英国は現行期限の12日に合意のないまま離脱することになる。