メイ首相、EUに離脱延期を要請へ 野党に協議呼び掛け
(CNN) 英国のメイ首相は2日、首相官邸で演説し、欧州連合(EU)に離脱延期を要請する方針を示した。自身の描いていたEU離脱戦略を見直し、政府案や代替案の否決が続く政治的混迷を打破するために野党に協議を呼び掛けた。
メイ氏はこの日、ほぼ終日に及んだ閣議の後で決断を下した。議会で過半数が支持した案は実行するとも表明した。
同氏は「国益を守るために国家が団結する必要がある」と強調し、これ以上議論を長引かせるわけにはいかないと述べた。
メイ氏は妥協が唯一の打開策だとして、EUが10日に開く緊急首脳会議の前に野党・労働党のコービン党首と改めて協議したいと申し入れた。コービン氏との間で合意が成立しない場合は、議会で複数の代替案を投票にかける意向を示した。
コービン氏はこれを受け、協議に応じると表明した。
メイ氏が妥協の姿勢を示したことに対して、与党・保守党内の離脱強硬派からはただちに「失望した」との声が上がった。
EUのトゥスク大統領は離脱期限の延期に応じる構えを示し、「忍耐強く待とう」とツイートした。
だが英国側で長引く混乱に、一部のEU首脳らは態度を硬化させている。マクロン仏大統領は同日、メイ氏の演説に先立ち、英国は自動的に離脱延期を認められるわけではないと警告していた。