英議会、EU離脱代替8案を全て否決 メイ首相、離脱実現なら「辞任」
ロンドン(CNN) 英議会は27日、メイ首相がまとめた欧州連合(EU)離脱案に代わる代替8案を全て否決した。メイ首相は自身の案に対して支持を集める狙いで、EU離脱が実現すれば辞任する意向を表明した。
代替8案についての採決では、いずれの案も過半数の支持を獲得できなかった。賛成票が多かったのは、2度目の国民投票を求める代替案や、離脱後も永続的に関税同盟にとどまり続けるといった案だった。
これに先立ちメイ首相は与党・保守党の会合で、国民の意思に従ってEUからの円滑で秩序ある離脱が実現できるよう、党首の座を譲ると言明。「EU離脱交渉の第2段階において、新たなアプローチと新たな指導者が求められていることは承知している。私はそれを妨げない」と語った。
メイ首相の発言について保守党のサイモン・ハート議員は、「首相は次の段階の交渉にはとどまらないと言った。もし(議会が)同案を支持すれば、首相は辞任する」と説明。辞任の時期については言及しなかったとした上で、「この発言は、もし首相の案が通過すれば、速やかに新しい指導者を探すプロセスが始まることを示唆している」とした。
ただ、たとえメイ首相が反対派の支持を獲得し、議会で3度目の採決に持ち込むことができたとしても、自身の案を通過させることは依然として難しそうな情勢だ。
スティーブン・バークレイEU離脱担当相は先に、メイ首相の離脱案について29日に3度目の採決が行われることを示唆していた。