ゴム弾や催涙ガスでデモを鎮圧、72人負傷 香港
香港(CNN) 香港から中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正への抗議運動で、香港警察の長官は12日、この日のデモを「暴動」とみなす姿勢を示した。香港当局によると、病院で治療を受けた負傷者は少なくとも72人に上っている。
12日のデモでは、若者を中心とする数万人が政府本部庁舎近くの幹線道路や周囲の道を占拠した。同長官は、デモ隊を後退させる目的でゴム弾や催涙スプレーなどを使用したことを確認した。
そのうえで「武力行使以外の選択肢」は残されていなかったとしている。
12日のデモの主な現場となったハーコートロードでは、負傷者が担架で運ばれているとの報道が出るなか、救急車が駆けつける場面も見られた。同長官によると、負傷した警官の数は集計中。
香港立法会(議会)は現地時間の12日午前、逃亡犯条例に関する2度目の審議を行う予定だったが、前日夜からデモ隊が建物の前に集まり始めた。
12日朝には、若者を中心とする数万人が現場に到着し、道路の通行を妨害。香港中心部はまひ状態に陥った。
立法会の梁君彦(アンドリュー・リョン)主席はウェブサイト上の声明で、12日午前の審議を延期し、新たな日程を決めると表明した。
香港は中国の一部だが法律は異なり、英国の制度を採用している。逃亡犯条例をめぐっては、政治上の罪やビジネス上の不注意による罪に問われ中国当局に引き渡される可能性を懸念する声が多い。