極度の貧困で栄養不良の学生死亡、経済大国の実態浮き彫りに 中国
北京(CNN) 中国南西部の貴州省で、極度の貧困のために十分な食事を取ることができず、栄養不良に陥っていた学生が死亡した。世界2位の経済大国で浮き彫りになった貧困の実態に衝撃が広がっている。
貴州盛華職業学院の3年生だったウー・ホワイェンさん(24)は13日、貴州省にある貴州医科大学の系列病院で死去した。死因は明らかになっていない。
ウーさんの窮状は昨年10月、地元メディアに取り上げられて脚光を浴びていた。当時の地元自治体の発表によれば、身長はわずか135センチ、体重は21.6キロだった。
両親は亡くなり、月額300人民元(約4800円)の生活保護を受けて弟と2人で暮らしていたという。弟には精神疾患があり、ウーさんは弟の介護のために極端に切り詰めた生活を送っていた。
国営メディアによると、普段は朝食を抜き、それ以外は米飯にチリを混ぜただけの食事をしていたという。
10月には両脚が腫れる症状のため入院し、心臓弁の異常があると診断されて手術を受けた。窮状を知った北京の慈善団体がウーさんを救うための募金活動に乗り出し、手術費用の3倍の額が集まっていた。
しかし今年に入って容体が悪化、13日に死亡した。
中国のソーシャルメディア、微博(ウェイボー)では、国がなぜウーさんを助けられなかったのかと疑問をぶつける投稿が相次いでいる。
中国は国内総生産(GDP)で世界2位の経済大国だが、大都市と農村部の経済格差が拡大。国家統計局によると、2018年末の時点で1660万人が年間2300元(約3万6000円)未満で暮らす貧困層に分類されている。