道路に巨大な陥没穴、路線バスのまれて6人死亡 中国
(CNN) 中国北西部青海省の西寧で13日午後、バス停の前の舗装道路が突然陥没し、その場に停車中だった路線バス1台が巨大な穴へとのみこまれて少なくとも6人が死亡、16人が負傷した。国営新華社通信が報じた。
現場に設置されたカメラには、バスに人々が乗り込むところで陥没が起き、車両の前方や街灯、並んでいた乗客が穴の中へ沈んでいく様子が映っている。バス停にいた人々が慌てて逃げ出す姿も見られる。
映像の中では1人の青年が、陥没穴のへりから赤ん坊を取り上げて安全な場所に避難させた。青年は助けを数人呼んできて穴へ戻ると、今度はへりにしがみついている女性1人を助け出そうとした。しかしここで青年たちの足元も陥没し、全員が穴の中へ落ちていった。次の瞬間、穴の中で爆発が発生。パッと火の手が上がった後で、大量の煙が穴の外へと立ち上った。
西寧市の当局者は14日午前に会見を開き、救出作業が依然として続いていると説明。計6人の遺体が見つかったほか、16人が病院で手当てを受けていると述べた。陥没した範囲の面積については約80平方メートルと推計した。
穴に落ちたバスがクレーンで引き上げられる//STR/AFP/AFP via Getty Images
14日未明の現場をとらえた画像には、救出にあたる作業員が巨大なクレーンを使ってバスを穴から引き上げる様子が写っている。
当局は陥没の原因について調べているが、ネット上では中国の各都市で陥没穴の出現が後を絶たないことに対する怒りの声が上がっている。
先月には南部の大都市、広州の地下鉄建設現場近くに陥没穴が開き、車2台が落下。その11日後には南東部の港湾都市、厦門でもやはり地下工事の現場で道路が陥没し、少なくとも車2台が巻き込まれた。このときはけが人は出なかった。
陥没穴は通常、酸性雨が地中にしみこみ石灰岩などの岩石を溶解させることで発生する。しかし、中国では建設工事の安全基準が適正でないことが陥没発生の一因になっている恐れがあるとの懸念が広がる。こうした工事の件数はこの数十年間、国内各都市で急速に増加している。