原因不明の肺炎拡大、新型コロナウイルスを検出 中国
(CNN) 中国の武漢市で原因不明のウイルス性肺炎が拡大している問題で、同国の科学者グループが患者57人のうちの15人で新型のコロナウイルスを検出したことが9日わかった。
国営の中国中央テレビが報じた。今回流行している肺炎の病原体と予備的に位置付けられている。このウイルスの全てのゲノム配列も確認したとし、患者1人のサンプル用検体を電子顕微鏡で調べ、「典型的なコロナウイルスの形状」を突きとめたとした。
世界保健機関(WHO)によると、コロナウイルスは通常の風邪や重症急性呼吸器症候群(SARS)などの病状をもたらす。症状は高熱、せき、腎臓疾患などで死亡する場合もある。
SARSは2002〜03年にアジア各地で拡大し、患者は8000人以上、犠牲者が774人出た。サウジアラビアで最初の発症例が2012年に出た中東呼吸器症候群(MERS)もコロナウイルスの一種だった。WHOによると、MERSによる死亡者は世界規模で851人だった。
SARSの感染源は中国南部の一部地域で美味の食材とされるジャコウネコで、MERSの場合はヒトコブラクダの可能性があることが判明した。
中国中央テレビによると、新型のコロナウイルスはSARSほど致命的な病原性はないとみられる。主要な症状は高熱で多くの患者は呼吸困難の状態も呈した。
患者8人がこれまで回復、8日までに退院した。死亡の事例は報告されていない。
武漢市では最初の症例が昨年12月12日に判明し、患者はこれまで計59人。中国の保健衛生当局は患者7人が特定段階で重体に陥ったとも報告していた。
人間から人間への感染も報告されていないとし、医療従事者の患者もいない。