ベラルーシ、対独戦勝記念の軍事行進 大統領は新型コロナへの懸念を一蹴
(CNN) 旧ソ連を構成していたベラルーシで9日、対ドイツ戦勝75周年を祝う軍事パレードが実施された。新型コロナウイルスの感染を警戒する他の旧ソ連諸国とは異なり、ベラルーシは75周年関連の大規模行事を中止しなかった。
ベラルーシでは新型コロナの感染拡大の兆候が見え始めた段階でも他国のような特段の対応策は打ち出さず、批判も浴びていた。国内のサッカー試合も開催され続けた。
ベラルーシ国営のベルタ通信によると、兵士3000人が参加した9日の軍事パレードには最多で1万1000人用の観客席を準備。地元テレビは首都ミンスクでのパレードの模様を実況中継したがマスク姿の観客らもわずかだった。映像では多数の観客が至近距離で着席する様子も見られた。
今回のコロナ禍でのパレード実施をめぐっては国内外で批判を招き、中止を求め資金を病院用の人工呼吸装置の購入に回すための署名活動には1万3000人余が賛同した。
ただ、ルカシェンコ同国大統領は他国による新型コロナ対策を「精神的な疾患」とも冷笑。9日の戦勝記念行事の演説では「誰かにひざまずいて生きるより立ったまま死んだ方がまし」とも言い切った。
パレードを行う女性兵士=9日、ベラルーシ首都ミンスク/Sergei Gapon/AFP via Getty Images
「この正気でない方向を見失った世界では今回の神聖な戦勝記念行事の開催時期と場所で我々を批判する人々がいるだろう」とも指摘。「そういう人々には言いたい。結論や我々への判断を急ぐな。我々は勝利の子孫である」とも述べた。
米ジョンズ・ホプキンス大学のデータによると、ベラルーシが公式に報告した感染者数は9日時点で2万1101人で死者数は120人以上。同国の人口は約950万人。