感染者の拡大続くも隔離措置の緩和主張、ブラジル大統領
(CNN) ブラジルのボルソナーロ大統領とゲジス経済相は9日までに、経済が瓦解(がかい)する可能性があるとして新型コロナウイルス対策の隔離措置を緩和する必要性を強調した。
同国の保健省が6日、国内の確認済み感染者数が24時間内の最多記録となる1万503人増えたと報告した翌日の発言だった。感染者総数は12万5218人。死者も最多となる615人増え、計8536人となった。
さらに8日には1日当たりの犠牲数が計751人と記録を更新。新たに1万222人の感染者も判明し、全国規模の総数は14万5328人に拡大した。
この中でボルソナーロ大統領は7日、最高裁での演説で「不安をかき立てられ続ける問題は失業と経済」と主張。「新型コロナとの闘いにおける副作用が病気そのものより有害であってはいけない」などと述べた。「経済は生命線であり助け出す必要がある」とも続けた。
新型肺炎をめぐっては最悪の時期は脱したとの認識も示したが、最悪の事態は今後到来するとの専門家の見方もある。被害が深刻な地域にはより厳しい封鎖措置が必要との指摘も出ている。
一方、ゲジス経済相は「経済は崩壊し始めている。ベネズエラのような状態にはなりたくない」と述べた。
ブラジルの感染者数は現在、南米諸国では最多規模となっている。ボルソナーロ大統領の報道官も感染が判明した。
経済優先の見解を示す同大統領はこれまで、新型コロナの脅威を軽視する言動でひんしゅくを買ったこともある。大規模な政治集会にも再三参加し、隔離措置の撤廃などを要求してもいる。