インド、封鎖措置をさらに緩和 コロナ感染は急増も
ニューデリー(CNN) 新型コロナウイルス感染が急速に拡大しているインドで、ロックダウン(都市封鎖)措置が1日からさらに緩和される。
インドでは新型ウイルスの新規感染者が過去5日連続で7万5000人を超え、世界最悪のペースで感染が広がっている。8月26日の新規感染者は8万5687人と、米国が先月16日に記録した7万7255人の世界最多記録を更新した。
感染者数は計360万人超で、米国、ブラジルに続く世界3位。100万人に達するまでには6カ月近くかかったのに対し、その後3週間で200万人、さらに16日間で300万人を超えた。この勢いが続けば、まもなくブラジルを越える見通しだ。
ただし死者は比較的少なく、31日までに報告された人数は6万4469人と、ブラジルの約半分。致死率は1.79%となる計算だ。
同国内務省は先月29日、1日からロックダウン解除の第4段階に入ると発表した。全国の地下鉄は7日から段階的に運行を再開し、21日以降は流行地以外で100人までのスポーツ、娯楽、文化、宗教、政治イベントの開催が、マスク着用などの条件付きで許可される。学校は今月末まで引き続き閉鎖されるが、教員の半数まではオンライン授業のために出勤を認められ、高校生は自主的に登校できる。
インドのモディ首相は3月末に突然、厳しいロックダウン措置を発表。経済への深刻な打撃を受け、5月から規制緩和を進めている。
モディ氏は感染者の急増について、検査件数が増えたためだと説明し、回復率の高さと致死率の低さが対策の成功を物語っていると主張する。これに対し、医療や教育、電力供給など国民の基本的ニーズに応えられない国家の欠陥が露呈したとの声もある。