ライフル・ハンビー・銃弾 米供与兵器の獲得を祝うタリバン
米当局者はタリバンの手中にある特定の兵器や車両について詳細を示すには時期尚早と強調しているものの、国防総省はすでに懸念を表明している。
国防総省のカービー報道官は19日、「まだアフガン国内にある米国が提供した装備品のうち、アフガン国家治安部隊の手に残っていない可能性がある兵器に関して言えば、この問題に対処を試みるための選択肢は複数ある」と述べた。
政権当局者によると、首都カブールの空港にいる米兵に直接の危険が及ばない限り、現時点では、空爆などの方法でこれらの兵器を破壊する計画はないという。
アフガンにある米装備品の破壊と撤去が本格的に始まったのは、トランプ政権が2020年2月にドーハ合意に調印し、米軍がアフガン駐留兵を8500人から2500人に減らす試みに着手した後だった。ただそれ以前にも、ペースはもっと緩やかだったものの、08年に駐留兵力が1万4000人を割った段階で兵器の破壊と撤去は始まっていた。
米政府監査院(GAO)によると、米国は13~16年にかけ、M16やM4などの軽兵器60万個、車両約8万台、暗視ゴーグル、無線機などをアフガン軍に供与。アフガニスタン再建特別監査官室の報告書によると、17~19年には、国防総省が機関銃7000丁、ハンビー4700台、擲(てき)弾2万発以上を供与した。
過去2年だけで見ても、米国はアフガン軍に1800万発以上の弾薬を供与したという。
当局者によると、このうち一部がタリバンの手に渡ったのは間違いない。米軍は撤退の最後の2週間、タリバンに奪われそうな米装備品の破壊を目的に何度も攻撃を実施したが、最後の最後までアフガン軍が反撃に出るとみていたため、アフガン軍に残した装備品をすべて破壊することはなかった。