ウクライナ軍が奪還のイルピン、がれきと化した街が物語る惨状
数ブロック先で、イルピンで生まれ育ったというウォロディミル・ルデンコさん(51)に出会った。軍の制服姿でAK―47銃を持ち、市内をパトロールしていた。
「私はここで育った。1975年以来、実質的にイルピンを離れたことはない。ここを守るのが私の務めだ」
そう語るルデンコさんが武器を手に取ったのは、ロシア軍が侵攻し、撤収に応じなかった時だった。
「私は戦争が始まった日以来、1日たりともイルピンを離れていない」とルデンコさんは力を込め、「非常に厳しかった。ものすごく強い攻撃だった」「1カ所で1時間に348回も衝撃があった」と振り返る。
街の惨状はその爆撃の激しさを物語っている。6万人以上の住民がいつ戻れるのか、見通しは立たない。ほとんどの建物は破壊されるか、修復不可能な損傷を受けている。
地元当局によれば、重要インフラは約50%が破壊されているという。