ロシア軍の退役大佐、国営テレビでウクライナ侵攻を批判
(CNN) ロシア軍の退役高級将校が国営テレビで、ウクライナでの軍事作戦について異例の批判を展開し、状況は今後悪化するだろうと警鐘を鳴らした。
ミハイル・ホダレノク退役大佐は16日に放送された国営テレビ「ロシア1」の番組で、「『情報の鎮静剤』は飲まないようにしよう。まるでウクライナ軍が士気面の危機や瓦解(がかい)に近づいているかのように、ウクライナ軍の精神的崩壊を伝える情報が流されることがあるからだ」と発言。「そのどれひとつとして現実に即していない」と注意を促した。
番組の司会者は反論したものの、ホダレノク氏は続けて、ウクライナ軍は100万人を武装させることが可能だと指摘した。
「欧州の支援が本格化すること、100万人のウクライナ兵が戦闘に参加可能であることを踏まえ、我々は近い将来の現実を直視する必要がある。そして作戦上、戦略上の計算の中でそれを考慮する必要がある。率直にいって、状況はこれから悪化する」としている。
ロシアメディアの常連コメンテーターであるホダレノク氏は、世界でのロシアの孤立についても言及した。
「全体を見渡す戦略的立場から状況全体を見てみよう」と前置きしたうえで、「ロシア軍が置かれた軍事的・政治的状況の最大の問題は、我々が地理的に完全に孤立していることだ。我々は認めたくなくても、全世界がロシアと敵対している」と指摘した。
ホダレノク氏は侵攻開始前から、ウクライナでの戦争は大方の予想よりも難しいものになると警鐘を鳴らしていた。
2月の記事では「率直にいって、近隣諸国からロシアに向けられる憎しみの度合いが軽く考えられている。パンと塩、花を持ってロシア軍を出迎える人などウクライナにはいない」と述べている。