「ザポリージャ原発周辺に安全地帯を」とIAEA報告書 事務局長も強い懸念
ザポリージャ原発をめぐっては、ロシアがウクライナによる攻撃を主張する一方、ウクライナはロシアが原発を軍事拠点化していると非難してきた。CNNはどちらの言い分も確認できていない。
IAEAは、原発内のさまざまな場所にロシア軍の要員や車両、装備が存在し、原子炉の施設間をつなぐ陸橋の下にも複数の軍用車両が置かれていたと報告した。
また、ロシア軍の支配下で原発を運転操作するウクライナ人スタッフの安全を確保する必要性にも言及している。
IAEAはウクライナ人スタッフの安全を確保する必要性にも言及した/D. Candano Laris/IAEA/Reuters
報告書によると、ザポリージャではIAEAが原発の安全要件として掲げる施設の完全性、安全システム、外部電源の確保、放射線監視など「7つの柱」がすべて損なわれているという。
グロッシ氏は6日、報告書が公表された数時間後にウィーンでCNNとのインタビューに応じ、同原発の状況は危険な「火遊び」だと強い懸念を示した。
調査団の訪問で現状を確認できたと述べ、原発周辺を防護する措置でただちに合意する必要があると力説。IAEAの任務として協議を急ぐ構えを示した。