安倍元首相の国葬実施、反対論も
東京(CNN) 東京都の日本武道館で27日、安倍晋三元首相の国葬が営まれた。ただ、国民からは費用の高さを理由に反対する声も出ている。
歴代最長の期間にわたって首相を務めた安倍氏は7月、奈良県での選挙遊説中に銃撃され死亡した。事件は銃暴力が極めてまれな日本に衝撃を与えた。
会場となる日本武道館には4300人以上が参列し、その中には米国のハリス副大統領やインドのモディ首相などの海外要人も含まれる。
安倍氏の遺骨が運び込まれた武道館では、政府が安倍氏の生涯と経歴をたたえる映像を上映。続いて岸田文雄首相が追悼演説を行い、安倍氏の勇気と献身的な姿勢を称賛した。
長年にわたり安倍氏を支えた菅義偉前首相など、他の政府関係者も追悼の辞を述べた。その後参列者が献花を行い、順々にお辞儀した。
このほか、儀仗(ぎじょう)や弔砲、音楽隊の演奏などが行われた後、政府は海外からの要人を対象にしたレセプションを開催する。
政府は警備体制を強化しており、NHKによると、治安維持のために警官約2万人が派遣される。ただ、会場の外では警察とデモ隊が口論する場面も見られた。
27日午前には、献花を行って安倍氏に最後の弔意を示そうと、指定された場所の外に人々が列をなした。一方で、1000人以上が国葬反対の街頭デモを実施し、日本で1967年以来となる国葬をめぐる世論の深い分断を浮き彫りにした。