最高指導者の姪を逮捕、世界各国にイランとの関係断絶呼びかけ
(CNN) イランの最高指導者アヤトラ・アリ・ハメネイ師のめいにあたるファリデー・モラドハニ氏が、外国政府に対してイラン政府との一切の関係を断つよう訴えたことを受け、逮捕された。
家族のツイートによると、モラドハニ氏は23日、裁判所の命令に応じて検察に出頭し、逮捕された。
モラドハニ氏は逮捕前に家族が共有したビデオ声明の中で、世界中の人たちに向け、イラン政府との関係を断つよう自分の国の政府に訴えてほしいと呼びかけていた。イランでは9月に道徳警察に拘束された22歳の女性の死をきっかけに、全土で反政府デモが巻き起こっている。
「自由な皆さん、私たちと一緒に、子どもを殺すこの殺人政権を支持しないよう、あなた方の政府に訴えてください。この政権は、いかなる宗教原則をも守らず、力と可能な限りの方法でその権力を保つ以外、いかなる法も支配も知りません」
「今こそ歴史上の重要な瞬間です。イラン国民が、何も持たないまま、素晴らしい勇気と果敢さで悪の勢力と戦う様子を全人類が目の当たりにしています。現在、イランの人々は、自分たちの命を代償として、この重い責任を単独で背負っています」
モラドハニ氏はそう訴え、イラン国民は政府と戦争状態にあると指摘。民主国家に対し、イラン駐在の外交官を召還し、イランの外交官を追放するよう促した。
モラドハニ氏は、ハメネイ師の姉妹と結婚した反体制派の聖職者を父にもつ。父は先月、死亡した。
ボルカー・ターク国連人権高等弁務官によると、イランでは全土の150都市と140あまりの大学で前例のない抗議デモが巻き起こり、子どもを含めて1万4000人以上が逮捕された。そのうち少なくとも21人が死刑を求刑され、6人が死刑判決を言い渡されているという。