中国政府、「ゼロコロナ政策」の大幅緩和を発表
ワクチン接種を推進
国務院は高齢者への新型コロナワクチン接種を加速させる必要性も強調し、すべての接種会場で「できるだけ多くの接種を」と呼び掛けた。
専門家らによれば、オミクロン株は従来株よりも症状が軽く、中国のワクチン接種率は全体として高いものの、高齢者などの高リスク層で少数の重症患者が出るだけで医療がひっ迫する恐れもある。
国家衛生健康委員会の集計によると、60歳以上ではこれまでに86%以上が当初のワクチン接種を完了しているが、まだ一度も打っていない人が約2500万人残っている計算だ。また、当初の接種を済ませた後で追加接種を受けていない人も4500万人いる。
最もリスクの高い80歳以上の層では、全体の約3分の2が当初接種を完了したが、追加接種を受けた人は4割にとどまっている。
国内移動の制限も緩和
中国国内の移動制限も緩和された。地域をまたいだ移動の際に義務付けられていた検査での陰性証明や健康コードの提示、到着時の検査は不要となる。
このほかにも省の境界が閉鎖されたり、境界を越える列車やバスの運行が停止したりした結果、都市で働く多くの人々が帰省できないまま、家族と離れ離れの日々を送ってきた。
1月に春節(旧正月)の帰省シーズンを控え、規制緩和で人々が一斉に移動すれば感染が再拡大するとの懸念を指摘する声もある。
一方でSNSには、「もう2年も旧正月に故郷へ帰っていない」とうれし涙を流す人や、「長かった。お帰りなさい」と呼び掛ける人たちの投稿が相次いだ。