中国の習主席、デモの原因はコロナ下の不満と認める EU当局者
(CNN) 中国の習近平(シーチンピン)国家主席が国内各地で起きたデモに触れ、中国政府が厳格な「ゼロコロナ」戦略を続ける中、国内には不満が存在すると認めたことが分かった。欧州連合(EU)当局者が2日、明らかにした。
最近のデモに関する習氏の発言が確認されたのは初めて。
EU当局者によると、習氏は1日、首都・北京を訪れたミシェル首脳会議常任議長に対し、デモの参加者は「主に学生」で、新型コロナウイルスが3年続き不満を募らせていると説明。中国の感染防止対策を緩和する可能性を示唆した。
オミクロン株はデルタ株に比べ致死率が低いため、中国政府はコロナ規制の緩和により前向きになっているとも述べたという。
この当局者はEUの職業規範を理由に匿名で取材に応じた。
ただ、この当局者は習氏が標準中国語で「抗議」と述べたかどうかは確認できず、コロナ規制をめぐる最近のデモについて習氏が正確にどのような表現を使ったのかも明らかにしなかった。
中国では市民生活に厳しい制限が課されるようになって3年目の終わりが近づき、このところ異例のデモが国内を揺さぶっている。
1989年に天安門広場で民主化運動が起きて以降、このようなデモは異例。習氏の2012年の実権掌握後、中国共産党は生活のあらゆる側面への締め付けを強め、抗議の声を徹底的に取り締まるとともに、ハイテク技術を使った監視国家を築いている。