中国のコロナ対策、「新たな段階と任務」に入ると当局者 抗議デモの後で
(CNN) 中国の新型コロナ対策を担う最高位の当局者は11月30日、保健当局者らに対し、国として「新たな段階、任務」と向き合いながらパンデミック(世界的大流行)を抑え込んでいく方針を示した。国営新華社通信が報じた。政府による「ゼロコロナ」戦略の調整を意味している可能性もある。
「ゼロコロナ」戦略を巡っては、ここ数日にわたり全国規模での抗議デモが起こっていた。新華社によれば、孫春蘭副首相は同日、新型コロナ・オミクロン株の弱毒化やワクチン接種率の増加、感染拡大防止の経験の蓄積に言及。中国の感染抑止策は新たな段階と任務に直面しているとの見解を述べた。
新華社が報じた孫氏の発言の中に「ゼロコロナ」政策は含まれていない。ただこの前日には国家衛生健康委員会(NHC)が、現行の感染対策の改訂を行っていると発表。地方政府に対し、人々の妥当な要求には適時対応するべきとの認識を示した。
孫春蘭国務院副総理(中央)/Chine Nouvelle/Sipa/Shutterstock
NHCとの30日の会合で孫氏は、「人間を中心とした手法」が取られるべきだとも明言。中国は「診断、検査、治療、隔離」といった措置に力を入れ、引き続き高齢者を中心にワクチン接種率を引き上げるべきだと主張した。その上で治療薬や医療資源の増強も訴えた。
地方では南部の広州市の当局者が、コロナ抑制策の緩和を徐々に進める意向を示唆している。同市では29日夜、対策に抗議するデモ隊が警官隊と衝突していた。
広州市内のロックダウン(都市封鎖)は4つの区で解除された。一方で高リスクとみなされた区域での措置は現在も継続している。