中国の「白紙デモ」、大手文具会社の頭痛の種に
香港(CNN Business) 先週末に中国各地で起きた異例のデモでは、白紙を掲げるデモ参加者の姿が目立った。この現象に頭を悩ませているのが、中国の大手文房具チェーンだ。
デモに参加した若者は、検閲に対する象徴的な抗議として白い紙を掲げた。インターネット上から削除された批判的なSNSの投稿やニュース記事、歯に衣(きぬ)着せぬオンラインアカウントを比喩的に示したものだ。
異例の抗議行動では、デモ参加者が新型コロナウイルス対策の厳格なロックダウン(都市封鎖)措置の廃止や政治的自由を要求。中国国営メディアではこのデモはほぼ無視されている。
28日には、中国各地に小売店8万店あまりを出店する上海晨光文具の株価が3.1%下落した。きっかけは同社が中国全土で29日からA4用紙の販売を禁止するとの文書がSNS上で出回ったことだ。
3.1%の下げ幅は28日の中国市場が記録した0.7%安を大きく上回った。公式ウェブサイトによると、上海晨光文具は上海を拠点に世界50超の国や地域で製品を販売する。上海証券取引所に上場しており、時価総額は60億ドル(約8300億円)に上る。
SNSで共有された文書では販売禁止措置について、「社会の安全と安定を維持」し、「不法分子が大量のA4白紙を買いだめして違法な転覆活動に利用するのを防ぐ」ためだと指摘した。中国各地の都市で起きた「最近の『白紙運動』を強く非難する」とも書かれている。
上海証券取引所のウェブサイトによると、上海晨光文具は株価下落の直後、ネットで出回っている文書は偽造であり、警察に通報したと発表。「当社の現在の生産と経営は通常通りだ」としている。