北京市、ファイザー製飲み薬を供給へ コロナ急拡大で
北京(CNN) 中国の北京市は新型コロナウイルス感染の急拡大を受け、市内の地域保健センターを対象に米ファイザー製の経口抗ウイルス薬「パクスロビド(日本ではパキロビッドパック)」の供給を開始する。
国営の中国新聞社(CNS)が26日に伝えたところによると、地域の医師らが研修を受けたうえで、新型コロナ感染者に処方する。
パクスロビドは外国製の新型コロナ治療薬としては唯一、中国全土での使用が認められている。ただし入手は極めて難しく、今月初めに国営企業が発売した際には数時間で完売していた。
中国ではもう一つ、国内の製薬会社、河南真実生物科技が開発した経口薬「アズブジン」も認可されている。
中国の「ゼロコロナ」政策が撤回されてから、習近平(シーチンピン)国家主席は沈黙を続けてきたが、中国国営中央テレビ(CCTV)は26日、同氏が新たな感染拡大を認め、「的を絞った」戦略の必要性を強調したと伝えた。
共産党機関紙の人民日報によると、北京市では救急医らが飲食の時間もなく感染者への対応に追われている。発熱の症状があるのに休めないと語る医師もいた。
同市には他地域からも数百人の医療従事者が応援に駆け付けている。
専門家らは、来年1月の春節(旧正月)で多くの人々が帰省し、ワクチン接種率が低く医療体制も手薄な農村部にも感染が拡大する事態を警戒している。