(CNN) ウクライナのゼレンスキー大統領はCNNの単独インタビューに応じ、ロシア軍が要衝バフムートを掌握すれば、ウクライナ東部の主要都市の制圧につながる「開けた道」を手にすることになると警告した。包囲されたバフムートにウクライナ軍をとどまらせた自身の判断を擁護した。
ゼレンスキー氏は「これは我々にとって戦術的な判断だ」と説明。ウクライナ軍幹部はバフムートの防衛を続ける方針で一致していると強調した。ロシアの数週間に及ぶ攻撃を受け、バフムートは陥落寸前の状態にある。
首都キーウ(キエフ)からCNNの単独インタビューに応じたゼレンスキー氏は、「バフムートの後、ロシア軍がさらに進軍する可能性があると見ている。クラマトルスクやスラビャンスクに向かう可能性がある。バフムートを掌握後、ロシア軍はドネツク方面の他の街に向かう開けた道を手にするだろう」との認識を示した。
民間軍事会社ワグネルの兵士による何週間もの攻撃で、数千人がバフムート市外への脱出を余儀なくされ、インフラは破壊された。ただ、ウクライナ軍も粘り強く一帯を防衛しており、ロシアの進軍を遅らせている。
ゼレンスキー氏はバフムートを保持しようとする自身の動機について、ロシア軍の目的とは「まったく異なる」と説明。「ロシア軍がバフムートで何を達成したいのかは分かっている。ロシアは少なくとも多少の勝利、小さな勝利を必要としている。たとえバフムートの全てを破壊し、そこに残る全ての民間人を殺害することになってもだ」と述べた。
また、ロシアがバフムートに「小さな旗」を掲げることができれば、「ロシア軍がそれだけ強力な軍隊なのだという印象をつくり出し、社会を結集させる」のに役立つとの見方を示した。