5階から転落の3歳児、通りがかりの男性が見事キャッチ イタリア
ローマ(CNN) イタリア北西部のトリノで、37歳の男性が集合住宅の5階から転落した3歳の女の子を奇跡的に受け止めて、称賛の的になっている。
お手柄の男性は銀行員のマッティア・アグッツィさん。現地時間の26日午前11時ごろ、ガールフレンドと一緒に徒歩でトリノ市内のパン屋へ行く途中、集合住宅の上の方から男性の叫び声が聞こえたと振り返る。
「男性は、小さな女の子が手すりから身を乗り出すのを見て叫び声を上げていた。女の子はどんどん身を乗り出して手すりを乗り越え、両腕だけでつかまって両脚は宙ぶらりんになった」。自らも軽傷を負って手当てを受けたアグッツィさんは、病院前でCNN系列局Sky24の取材に応じてそう語った。
アグッツィさんは、女の子を止めようとして大声を上げたが、自分の声が届いていないと分かると、どう落下するかを計算して女の子の下に立ったという。
「彼女が転落するのを見て私はそちらへ踏み出し、目を閉じて、何もかもうまくいくことを願った。私が間に入って衝撃をやわらげ、2人とも地面に倒れた」
「最初は生きている感じがしなかったけれど、やがて子どもが泣き始めたので安堵(あんど)のため息をついた」
事態に気付いた両親が飛び出してきて、女の子は救急車で病院に搬送された。両親はショックを受けた様子だったが、女の子は無事だったとアグッツィさんは話す。
トリノ市長はアグッツィさんを表彰すると発表し、イタリアのメローニ首相も謝意を表した。
しかしアグッツィさんは「何も考えずにやるべきことをやっただけ」とコメント。自分の余分な体重が助けになったと話し、「これでもう誰からも、少しやせた方がいいと言われずに済む」と冗談を飛ばした。