絶滅危惧種のクマ射殺、男性を起訴へ イタリア中部
ローマ(CNN) イタリア中部アブルッツォの国立公園近くで、絶滅の恐れがあるマルシカヒグマの雌1頭を射殺したとして、地元に住む男性(56)の身柄が警察に引き渡された。
検察は、動物を不当に虐殺した罪で起訴する構えを示している。
国立公園が1日に確認したところによると、死んだのは「アマレナ」と名付けられたクマ。公園の獣医が救急チームとともに対応したが助からなかった。
マルシカヒグマはイタリアに生息するが、現在残っているのは60頭足らず。国立公園は声明で、アマレナが人間に害を及ぼしたことはなく、射殺を正当化する理由がないことは明らかだと述べた。
男性は有罪となった場合、禁錮4カ月から2年の刑を言い渡される可能性がある。
現地のCNN提携局によると、本人は警察の調べに対し、自身の所有地内でアマレナを見つけたため、恐怖から本能的に撃ったが殺すつもりはなかったと話している。
アマレナが産んだ雄の子グマ、フアンカリートは2021年、近くのベーカリーに侵入してビスケット数百個を食べたニュースが注目を集めた。フアンカリートは今年、車にひかれて死んだ。
アマレナのほかの子グマは公園のスタッフが捜し出し、野生のまま育ち続けるよう全力を尽くしているという。
イタリア北部では4月、ジョギング中の男性がクマに襲われて死亡。クマは殺処分を言い渡されたが、裁判所が執行停止の判断を下し、捕獲された。