練兵場と化す校庭、軍国主義化が進むロシアの学校
銃の組み立てを習う子どもたち
CNNがロシアの地元メディアやソーシャルメディアを広範に調査した結果、7~8歳の子どもたちが基本的な軍事演習を受けていることが判明した。
例えば7月には、ベルゴロド州で、子どもたちに、「スレッジ―ハンマー」などの戦場でのコールサインが与えられ、自動小銃の使い方や機関銃の組み立て、障害物走などの訓練が行われた。
ベルゴロド州のグラトコフ知事は、今後も就学児童や就学前の子どもたちに定期的に軍事訓練を行うと示唆した。
5月にはクラスノダール地方で、まだ7~8歳ぐらいの子どもたち数十人が陸海軍のユニホームに身を包み、時にはおもちゃの自動小銃を抱えながら、ひな壇の来賓の前を行進した。
ボログダ市で行われた軍事パレードでは、幼い子どもが上官に敬礼し、「練兵司令官! 行列行進の準備が整いました! 私は指揮官のウリアナ・シュメロバです」と報告した。
極東サハリン(樺太)からアゾフ海沿岸のエイスクまで、同じような場面がいたるところで見られている。興奮する子、当惑する子など様々だ。エイスクでは子どもたちが「1、2、3。左、左、左!」と掛け声をあげる中、就学前の児童が国境警備隊の行進を先導した。
こうしたパレードに参加する子どもの大半は、何らかの軍服を身にまとい、おぼつかない足取りで足並みをそろえようとしている。英雄とたたえられるロシア軍人の写真を手にしていることもしばしばだ。
ロシア政府が「特別軍事作戦」と呼ぶウクライナでの戦闘を象徴するものも称賛の対象になる。アストラハン市では軍服姿の幼稚園児が、ウクライナ戦争への支持を表明するために使われているプロパガンダ的シンボル「Z」が書かれたおもちゃの車を手にしていた。
ロシア国防省は、「クリスマスツリーに願いを」と題した大々的なキャンペーンを展開し、児童生徒への働きかけを強化している。このキャンペーンは難病の子どもたちを支援する「メイク・ア・ウィッシュ財団」と似たような試みで、ショイグ国防相本人も積極的に関与している。
ショイグ国防相は5月、ウドムルト共和国出身の9歳の女の子ダリアちゃんをモスクワの戦勝記念パレードに招待した。他にも軍のヘリコプターや空軍博物館の見学に子どもたちが招かれた。