国連安保理、ラマダン中のガザ停戦求める決議案を採択 米国は棄権
(CNN) 国連安全保障理事会は25日、パレスチナ自治区ガザ地区での即時停戦を求める決議案を採択した。安保理を構成する15カ国のうち14カ国が決議案を支持。米国が棄権したことで可決する形となった。
米国の棄権を受け、イスラエルのネタニヤフ首相は予定されていた自身の側近の訪米をキャンセルした。イスラエルの当局者2人が明らかにした。
今回の決議案は、非常任理事国10カ国が同日共同で提出。イスラム教のラマダン(断食月)期間中の即時停戦や即時かつ無条件の人質の解放、ガザへの支援物資流入の緊急拡大を求める内容となっている。
米国のトーマスグリーンフィールド国連大使は決議案について、米国が要望した修正が盛り込まれているとしつつ、「全てには同意できない」ため支持はしないと述べた。
国連のグテーレス事務総長は、決議案を実行しないことは「許されない」との見解を示した。
イスラエルのカッツ外相はSNSのX(旧ツイッター)への書き込みで、決議案に従うつもりはないと言明。停戦はせず、人質が全員帰国するまでイスラム組織ハマスとの戦いを続けると述べた。
バイデン政権の高官によれば、今回の決議案に対して拒否権を行使せず棄権を選んだのは、文言の特定の部分を変更するのに成功したためだという。
当初の文言は恒久的な停戦を求め、人質の解放交渉への言及もなかったが、米国の働きかけにより持続的な停戦へと書き換えられ、人質解放に向けた努力の継続も盛り込まれたとされる。
米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報担当調整官は、イスラエル代表団の派遣を中止するとしたネタニヤフ氏の決定に落胆していると明らかにした。
米国務省のミラー報道官も、派遣中止を「驚くべきことで遺憾」と述べた。