戦禍の煙に交じりガザの空に揚がる凧、住民と違い「自由」とも

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たこを揚げるパレスチナ人の少年=20日、パレスチナ自治区ガザ地区ラファ/Ibraheem Abu Mustafa/Reuters

たこを揚げるパレスチナ人の少年=20日、パレスチナ自治区ガザ地区ラファ/Ibraheem Abu Mustafa/Reuters

(CNN) 戦禍にさらされるパレスチナ自治区ガザ地区では爆撃された建物の残骸から立ち上る煙に交じって、少年たちが凧(たこ)を上空に揚げ、つかのまのやすらぎさを醸し出す光景が広がることもある。

イスラエル軍の空爆などがいつ起きるかわからない絶え間ない恐怖心に襲われる中でも、楽しみごとは奪われないとする少年たちの気持ちを見せつける凧揚げともなっている。

凧を作る材料は乏しいが、戦闘の痕跡が残る路上などで見つけられるものは全て活用している。プラスチック製のバッグ、小枝や紙片などは十分に風に乗る材料となり得る。

非営利機関「#MeWe・International・Inc」の創設者は最近、人道支援のボランティアとしてガザを訪れ、ガザ南部の海岸で子どもたちが凧揚げに興じ、笑顔を見せる動画を撮影した。

別の映像では、少なくとも5個の凧が遠方で立ち上る煙を背景に空中にゆらめく場面も収められていた。

同創設者はCNNの取材に、ガザ上空に流れる煙、ドローン(無人機)の飛行音や爆撃音があっても、子どもたちが数百個の凧を作り、空に飛ばすことが見られるだろうとも指摘した。

「毎朝あるいは毎夕に凧は空に舞い上がっている」とし、同時に「爆撃音や爆発音も聞こえるだろう」と説明。「食料がなくて飢えている家族がいる数千ものテントも見いだされるだろう」と述べた。

CNNに提供された音声記録でガザ住民の1人は凧はパレスチナ人の自由を象徴しているとも主張した。「凧は自由だが、私はそうではない」ともつけ加えた。

「非常に細い糸を使って凧を飛ばしているが、この糸は私がいつかは自由になれるだろうことを感じさせるものだ」との思いも打ち明けた。

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