アイスランド火山が再噴火 溶岩が防護壁に到達、町が孤立する恐れ
(CNN) アイスランド南西部のレイキャネス半島で29日に再び火山が噴火した。噴火は昨年12月以来5回目。溶岩はグリンダビークの町の防護壁に達して町が孤立する恐れがあり、人気観光施設のブルーラグーンにいた人たちは避難した。
公共放送RUVによると、噴火口で発生した地震に続き、現地時間の29日午後1時ごろに噴火が始まった。
気象庁はこれに先立ち、地震活動が活発化して地底にマグマがたまっていることから、噴火の恐れがあるとして警戒を呼びかけていた。
噴火による溶岩で住民は避難を余儀なくされた/Marco di Marco/AP
現地では、レイキャネス半島のハガフェットゥル山付近にある3.4キロの亀裂に沿って、溶岩が空中に吹き出す動画や写真が撮影されている。
気象庁によると、グリンダビークの町に通じる道路は3本のうち2本に溶岩が流れ込み、一時的に通行できなくなった。溶岩は町やインフラを守るために建設された防護壁に沿って流れ続けた。
しかしグリンダビークの市長によると、30日には状況が改善した。RUVによれば、町の停電は続いているが、温水も冷水も流れており、配管は損傷していない様子だという。
地元防災当局者は「数カ所で溶岩がグリンダビークの防護壁の外を流れている。スバルスエインギの壁の外も流れ始めている」と説明。グリンダビークは完全に孤立する恐れがあり、防護壁は持ちこたえているが「町の西側と最遠端にある住宅は、防護壁がなければ溶岩にのまれていただろう」とした。
噴火は昨年12月以来5回目/Almannavarnadeild/Anadolu/Getty Images
グリンダビークの人口は約3000人。ほとんどの住民は12月の噴火で避難した。町に残る住民らにも避難勧告が出ているが、警察によれば3人の住民が避難を拒んでいるという。
グリンダビークへの電力供給は、高電圧線や地中の配管に溶岩が迫ったことから、29日にストップした。