親に抱かれて餓死する子ども、ガザを覆う飢餓 「一人ひとり死んでいくのを待つだけ」
ガザに入る援助物資の量に「制限はない」とイスラエルは主張する。しかしトラックに対する検査や陸路の制限、激しい爆撃のために、援助物資はほとんど届かない。たとえガザに入れたとしても、飢えた人たちが車列に殺到して配給が妨げられる危険がある。
「私たちには援助として受け取る水しかない。みんながどれほど苦しんでいるかは言葉にできない」とハッサン・カラシュさんは言う。「私たちは病気で、水を運ぶ力もない。給水管は壊れていて、水の設備がない」
ガザ北部の住民は、水道から水が出ないため、めったに来ない支援に頼るしかないと訴える。UNRWAの先週の発表によると、8カ月に及ぶ爆撃で、ガザ地区の水や衛生設備は少なくとも67%が破壊されたり破損したりしている。国連環境計画によると、ガザの排水処理工場は5施設全てが停止した。
援助に頼る水しかないと語るハッサン・カラシュさん=12日、パレスチナ自治区ガザ地区北部のジャバリヤ難民キャンプ/CNN
ガザ中部のアクサ殉教者病院では、5歳の女の子のラザンちゃんが赤くただれた指に金の指輪をはめていた。台車に寝かされたラザンちゃんの灰色の目はうつろだった。
「この子は戦争で変わってしまった」とおばのウム・ラザン・メイテムさんは話す。ラザンちゃんは栄養失調のために皮膚炎を患っているといい、「めいに与えられるものがない。市場は何もかも高すぎるか、売っていないかのどちらかだ」と訴えた。
「私たちに命はない」
新生児や妊婦は栄養失調や脱水の危険が最も大きい。妊婦の栄養が足りなければ早産が増え、生まれた子どもは低体重のために命を落とす。
ガザ北部のカマルアドワン病院の医師たちは、生後わずか4日だった女児のアマルちゃんを救えなかった。