仏総選挙、右翼が大勝の予想 与党連合は3位転落か
(CNN) フランス国民議会(下院、定数577)選挙の第1回投票が30日に実施された。初期の予測では右翼「国民連合(RN)」が首位に躍進し、マクロン大統領の与党連合は3位に転落する形勢とされる。
仏調査会社イプソスの推計によると、得票率のトップはRNの34%、2位が左派連合「新人民戦線(NFP)」の28.1%で、与党連合は20.3%にとどまる見通し。
7日の決選投票でRNが獲得する議席は230~280と、現有の88議席から大幅に増えることが予想される。ただし過半数の289には届かず、多数派勢力のない「宙づり議会」となる可能性がある。NFPは125~165議席、与党連合は70~100議席を獲得するとみられる。
マクロン氏は、今月の欧州連合(EU)議会選挙で与党連合がRNに大敗したことを受け、電撃的に国民議会の解散、選挙実施に踏み切っていた。3年後に大統領任期を満了するまでの間、対立勢力の首相と共存する「ねじれ状態」を強いられる可能性が出てきた。
RNを率いるルペン前党首は支持者らの前で、「民主主義が意思を表明した」と宣言。同時に「まだ何も勝ち取っていない。決選投票で決着がつく」と強調した。
バルデラ党首もパリの党本部で、決選投票の重要性を強調した。同氏はRNが勝利した場合の首相候補と目されているが、第1回投票を前にした演説で、RNが過半数に届かなければ首相には就かないと言明していた。
過去の選挙では、第1回投票でRNの前身、国民戦線(NF)が優勢となった場合、左派、中道政党が候補を一本化してNF候補の当選を阻止する戦略を取ってきた。今回も第2回投票に向けて同様の駆け引きが予想され、その行方が注目される。