ダルフールの避難民キャンプに飢餓宣言、長引く内戦で深刻化 スーダン
(CNN) アフリカ北東部スーダンで数十万人が身を寄せているダルフール地区の避難民キャンプについて、国連機関が飢餓を宣言した。ダルフールでは1年3カ月にわたって内戦が続き、国民が多大な犠牲を強いられている。
国連の飢饉(ききん)調査委員会(FRC)の1日の発表によると、北ダルフール州の州都エルファーシル近郊のザムザム・キャンプでは6月から飢餓が続いている。今回の衝突が始まって以来、同キャンプに身を寄せる避難民は50万人に膨れ上がった。
FRCが飢饉を宣言するのは極めてまれで、20年前に調査委員会が設置されて以来、約7年ぶりで3度目にすぎない。過去は2011年にソマリア、17年に南スーダンで飢餓が宣言されていた。
FRCによれば、現在の飢餓はザムザム・キャンプに限られているが、紛争によって人道支援へのアクセスが制限される状況が続く限り、スーダン各地で飢餓の恐れがある。
エルファーシルは数カ月にわたって準軍事組織の即応支援部隊(RSF)に包囲されている。23年4月に始まったRSFと国軍の戦闘は首都ハルツームに甚大な被害を出し、衝突は全土を覆った。
国内避難民は1000万人を超え、2500万人以上が深刻な飢えに直面している。
国連世界食糧計画(WFP)は5月の時点で、ダルフールの飢餓が深刻化して雑草やピーナツの殻を食べるしかない人が多数に上ると伝えていた。
「総合的食料安全保障レベル分類(IPC)」では、飢餓を「極度の食料の欠乏」と定義し、飢え、死亡、欠乏、極端な急性栄養失調に結び付くと指摘している。1日に1万人あたり大人2人または子ども4人が飢えまたは栄養失調と疾病の組み合わせによって死亡すると、飢餓が宣言される。