道路埋め尽くす自転車、学生の夜間集団サイクリングに神経とがらせる政府 中国

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道路を埋め尽くした自転車の集団/@xiaoshuai/Douyin

道路を埋め尽くした自転車の集団/@xiaoshuai/Douyin

この旅がたちまち話題になってまねする鄭州市の学生が激増。「鄭州からシェアバイクに乗って開封で朝食を。青春とは楽しむこと、熱狂すること、無限のエネルギーを持つこと」。そんな学生の投稿は25万近い「いいね」を集めた。

開封市はこのブームに乗じて観光客を増やそうと、観光地への入場料を無料にするなどして学生たちを歓迎した。

国営メディアも学生たちの旅を「青春の情熱」の表れと賞賛した。

「行く途中で自分みたいな人たちとたくさん出会った。旗を持ったり音楽をかけたりしている人や、みんなで一緒に歌う人もいた」。河南大学の学生は人民日報(英語版)にそう語っている。「上り坂に差し掛かると、みんなが互いを激励した。お互いに知らない人だったけれど、同志のように感じた」

ところが夜間サイクリングの規模が爆発的に大きくなり、他都市にも広がり始めると、自治体が一転、取り締まりに乗り出した。

こうした熱狂や取り締まりに対してインターネットでは意見が分かれた。学生たちが開封市に押し寄せて住民にトラブルを引き起こしていると非難する声や、地元自治体がこのトレンドを推奨する以前に学生の大量流入に備えるべきだったとする声が噴出している。

ただ、何時間もかけて開封市へ出かける動機は単純な楽しみだけとは限らない。景気が減速する中で、就職への不安や不確実な未来から逃れるひと時とする学生もいる。

最終学年の女子学生は国営紙の取材に対し、就職活動に追われて「底なしの穴」にはまったような気がすると打ち明けた。

そんな時にSNSでこのトレンドのことを知り、11月3日に友人と開封市へ夜間サイクリングに出かけた。

「夜間サイクリングは冒険みたいな気分だった」という女子学生は、音楽を聴いたり友達とおしゃべりしたりしているうちに不安は消えていったと話し、「その瞬間、このまま自転車をこぎ続けられたらと思い、もう現実には戻りたくないと思った」と振り返った。

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