ウクライナ軍、ロシア西部ベルゴロド州に大規模攻撃 地元当局発表
(CNN) ウクライナと国境を接するロシア南西部ベルゴロド州のグラトコフ知事は、州内で20以上の村がウクライナの攻撃を受けたと発表した。ウクライナはこの作戦を公式に認めていない。
ウクライナ軍は昨年8月、ベルゴロド州と隣接するクルスク州で1000平方キロ以上の領土を掌握したが、ロシア軍が最近、北朝鮮の支援部隊とともに反撃を仕掛けて奪還した。春の訪れとともに、双方が前線での戦闘態勢を強化している。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は29日夜の定例演説で、同国中部ドニプロペトロウスク州の州都ドニプロやクリビーリフなどで前夜に民間施設へのドローン(無人機)攻撃があったと述べ、米国や欧州は緊急に「強い対抗措置」を取る必要があると訴えた。
ウクライナ軍がベルゴロド州への攻撃強化で領土の占拠を狙っているのか、あるいはロシア軍の戦力を移動させ、クルスク州やウクライナ側のスーミ州で戦闘を続けるウクライナ軍部隊への圧力をそらせようとしているのかは明らかでない。
ロシア当局者らによると、ベルゴロド州への攻撃は2週間近く前、数件の越境攻撃から始まった。ウクライナ軍が昨年クルスク州に仕掛けた越境攻撃に比べると、今のところずっと小規模にとどまっている。
ウクライナ東部では、ロシア軍がドネツク州の要衝ポクロウスクへの激しい攻撃を続けている。また同国中南部ザポリージャ州の軍報道官は28日、ロシア軍の歩兵団による攻撃が急増し、情勢が悪化していると述べた。
米国が仲介する停戦交渉は停滞したままだ。ロシア交渉団のメンバーの1人は28日、交渉が進展するのは早くて年末になるとの見方を示した。