議員が議場で発煙弾投げる、混乱で脳卒中に見舞われる議員も セルビア

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議員が議場で発煙弾投げる セルビア

(CNN) セルビアの議会が4日、大混乱に陥った。複数の野党議員が発煙弾や催涙ガスを議場内で投げたことが原因だ。政府に抗議し、学生のデモを支持するための行動だったという。

数十人の議員が集まる議場の中で、野党議員らは発煙筒に火をつけ、発煙弾や卵を投げた。それ以外の議員は急いで席を立ち、警備員ともみ合いになった。議場に煙が充満する中、広げられた横断幕には「セルビアは立ち上がり、体制を打倒する」と書かれていた。

妊婦1人を含む与党セルビア進歩党の議員3人が、混乱の中で負傷した。1人は脳卒中に見舞われたという。CNN提携局のN1が報じた。

混乱で負傷した議員が医療班に運ばれる様子/Darko Vojinovic/AP
混乱で負傷した議員が医療班に運ばれる様子/Darko Vojinovic/AP

混乱の発端となった学生主導の抗議行動により、既に国内は機能停止に陥っている。強硬路線の政権を敷くブチッチ大統領にとって、現状はこれまでで最大の脅威をもたらしている。

セルビアでは昨年11月に北部の都市ノビサドで発生した鉄道駅の屋根の崩落事故を受けて、12年続くブチッチ政権への不満が一気に高まった。15人が死亡したこの事故を巡っては下請け業者による手抜き工事が原因とする見方が広がり、人々の多くは国家の中枢の腐敗を象徴する出来事と捉えている。

4日の議場での混乱でも、一部の野党議員は「殺された人々に正義を」との文言を掲げた。議場外の群衆も、死亡した人数に合わせて15分の黙祷(もくとう)を行った。

ブルナビッチ議長は4日の混乱を受けても「引き下がるつもりはない」と発言。議事を妨害した議員を「テロリストだ」と非難した。現場の議員らは議事の再開を試みたが、野党議員らは依然として口笛を吹いたりホーンを鳴らしたりしていた。

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