中国、成長率5%前後に目標設定 李首相が全人代で報告
中国、経済成長率を5%前後に設定
北京/香港(CNN) 中国政府は今年の経済成長率の目標を5%前後に設定していることが分かった。李強(リーチアン)首相が5日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)での演説で報告した。
全人代はこの日、北京の人民大会堂で開幕。米議会でトランプ大統領が施政方針演説を始めた直後のタイミングで、李氏が同様の演説に立った。
トランプ米政権の追加関税による影響が懸念されるなか、李氏は成長率の目標について「困難に正面から立ち向かい、実現に努めるわれわれの決意を明確に示している」と述べた。
李氏はさらに「われわれは発展を目指すうえで、いかなる困難にも打ち勝つことができる」と語り、大きな拍手を浴びた。「中国経済という巨大船は波をかきわけ、未来へ向かって着実に進み続ける」とも宣言した。
米国を直接名指しすることは避けつつ、関税強化が世界経済に及ぼす影響や、国際環境の変化に言及した。
米政権による関税への報復措置として、中国は米国産の農産物などに対する最大15%の追加関税と、米企業十数社への輸出規制、世界貿易機関(WTO)への提訴を発表している。中国外務省の報道官は4日、「米国が関税戦争や貿易戦争、そのほかの戦争を主張するなら、中国は最後まで戦い抜く」と述べた。
李氏の報告によると、中国政府はこのほか、今年の財政赤字の目標を国内総生産(GDP)比4%前後に引き上げ、物価上昇率の目標は2%前後に引き下げた。
同氏はまた、消費の低迷など国内経済のさまざまな問題点を指摘し、新興産業の育成を図る方針を示した。
5日に発表された予算案によると、今年の国防予算は1兆7800億元と、前年比7.2%増のペースが維持されている。