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解雇に不満の米連邦職員、ロシアと中国が採用に動く 情報筋 CNN EXCLUSIVE

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クレムリンのスパスカヤ塔を背景に立つロシアの要員=23年4月27日/Kirill Kudryavtsev/AFP via Getty Images

クレムリンのスパスカヤ塔を背景に立つロシアの要員=23年4月27日/Kirill Kudryavtsev/AFP via Getty Images

(CNN) ロシアや中国といった米国の敵対国は、ここへ来て自国の諜報(ちょうほう)機関に対し、米連邦政府職員の採用を強化するよう指示を出している。対象は国家安全保障に携わる職員で、既に解雇されたか、間もなく解雇されると感じている職員らを標的にしているという。この問題に関する最近の米諜報に詳しい4人の人物と、CNNが検証したある文書から明らかになった。

当該の諜報が示唆するところによると、複数の敵対国がトランプ政権の取り組む大規模解雇に乗じようと積極的に動いている。解雇は連邦政府職員全体にまたがるもので、今週人事管理局(OPM)が計画の概要を発表した。

ロシアと中国が注力するのは、機密情報を扱う職務に就いていて最近解雇された職員や、契約停止の恐れがある試用職員。こうした職員は、米国にとって極めて重要なインフラや官僚機構について価値ある情報をつかんでいる可能性がある。情報筋のうち2人が明らかにした。少なくとも2カ国は既に採用ウェブサイトを立ち上げ、ビジネス向けSNS「リンクトイン」を通じた連邦職員向けの採用を活発に行っているという。

CNNは米国家情報長官室(ODNI)並びに中ロの在米大使館にコメントを求めた。

大量解雇を採用の好機と捉えた外国の諜報機関が、経済的に逼迫(ひっぱく)し、解雇への不満も抱える元職員らを狙うとの懸念はかねて浮上していたが、今回の情報はそれを裏付ける内容と思われる。司法省は近年、米国の情報を中国に提供したとして軍並びに諜報機関の元当局者多数を訴追している。

トランプ政権1期目に国家安全保障会議(NSC)で防諜担当の責任者を務めたホールデン・トリプレット氏は「雇用者からの待遇に不満を感じる職員らは、歴史的に見ても機微な情報を暴露する公算が格段に大きくなる」「我々は現在、意識的にではないにせよ、完璧な採用環境というものを作り上げているのかもしれない」と述べた。同氏は連邦捜査局(FBI)の職員として米国の駐ロシア、駐中国大使にそれぞれ随行した経歴も持つ。

現在、中央情報局(CIA)と国防総省は大規模な人員削減を検討中だ。後者が先週作成したメモによれば、今後短期間のうちに5000人を超える試用職員が解雇される可能性がある。これらの職員のほとんどは、就労期間が1年以下だという。CIAも既に20人以上の当局者を解雇した。様々な問題での働きを理由に解雇されたこれらの当局者の多くは、現在裁判所へ解雇に対する異議を申し立てている。

連邦職員の規模削減を命じる大統領令に答える取り組みとして、CIAは今月、ホワイトハウスに極めて異例の電子メールを送付した。それは入局2年以内の新人職員全員を記載したリストで、スパイ活動に従事予定の職員も含む内容。同メールは機密扱いに分類されていないサーバーを通じて送付されていた。

これらの職員の一部は、今後大量解雇の一環として雇用関係を終了させられる可能性がある。彼らはCIAのスパイ活動などにまつわる機密情報へのアクセス権を保有していたとされる。

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