中国の火星探査機が驚くべき発見、太古の水の兆候探る調査で

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36億年前の火星の姿を描いた想像図。地表の3分の1を海洋が覆っている/Robert Citron

36億年前の火星の姿を描いた想像図。地表の3分の1を海洋が覆っている/Robert Citron

(CNN) 36億年前、火星には海洋が存在し、砂浜の海岸に波が打ち寄せていた可能性があることが新たな研究で分かった。中国の火星探査機「祝融号」と同機の地中探知レーダーが、2021年5月から22年5月にかけての探査で太古の海岸線を検知した。

祝融号が着陸したユートピア平原は、火星でこれまで知られる最大のクレーターの中にある。近くには火星の北半球の尾根が連なる。科学者らは長年、この尾根がかつての海岸の名残なのではないかと疑問を呈してきた。そこで祝融号が太古の水の兆候を突き止めようと探索を開始した。

祝融号で収集したデータを基にした研究が先ごろ、学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」に掲載された。論文の共著者で米ペンシルベニア州立大学の地質学助教、ベンジャミン・カルデナス氏は声明で「火星にかつて太古の海岸や河川デルタだったとみられる場所があったことを突き止めている」「風と波、十分な量の砂に関する証拠を発見した。バカンスで訪れるような立派な海岸があった証拠だ」と述べた。

さらに火星の環境は、温暖かつ湿潤だった時代が従来の想定より数千万年長かった可能性もあるという。論文著者らがそう書いている。

より温暖で湿潤な気候だった当時の火星は海洋が地表の3分の1を覆っていたとの証拠も見つかっている。こうした気候条件は、生命に適した環境を作り出していた可能性がある。

祝融号は着陸時、ユートピア平原の尾根に沿って移動。レーダーを駆使し、最長で地表から80メートルの深さからデータを集めた。

深さ10~35メートルの部分で、レーダーは地球の層状の海岸と同様に14.5度の傾斜角を形成した堆積(たいせき)構造を検知。堆積した粒子の大きさを計測したところ、砂の粒に相当したという。

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