中国の火星探査機が驚くべき発見、太古の水の兆候探る調査で
論文共著者で米カリフォルニア大学地球・惑星科学教授のマイケル・マンガ氏によれば、当該の構造が砂丘やクレーター、溶岩流のいずれにも似通っていなかったことから、研究者らは海洋について想定するようになった。
構造はベンガル湾などで見られるような海岸堆積物のものと酷似していた。こうした構造は、長期にわたる安定的な海洋の存在によって形成されると、論文著者らは述べている。
今回探査機が発見した構造が形成されるには、何百万年もかけて堆積物が潮流と波によって運ばれ、海洋の方向へ傾斜していく必要がある。カルデナス氏は、波の存在が示唆されるということは大気と水との動的な接触があったことを意味すると指摘。最古の生命が生まれた当時の地球でも、海洋と陸地の間での相互作用が起きていたことを示唆した。
米航空宇宙局(NASA)の火星探査車「パーサビアランス」による調査からも、水路や河川デルタなど、かつて存在した水が火星の地形を形作った兆候が示されている。
海洋が干上がった後、海岸は火山の噴出物や砂嵐に含まれる物質で覆われ、海岸線の形が実質的に保たれた公算が大きいと、カルデナス氏は分析している。