韓国山火事で消防ヘリが墜落、操縦士死亡
ソウル(CNN) 韓国南東部の慶尚北道(キョンサンプクド)義城(ウィソン)郡で26日、山火事の消火活動に出動していたヘリコプターが墜落し、操縦士の死亡が確認された。
墜落機には操縦士1人だけが搭乗していた。
当局によると、山火事は先週末に南部で数十件発生し、急速に拡大した。消防士や警官ら1万人が出動している。焼失面積は26日までに1万7398ヘクタールに上った。
行政安全省によると、これまでに少なくとも19人が死亡、19人が負傷した。当局によれば、死者の中には現場に派遣された公務員4人が含まれている。
義城では、1300年前に建立された仏教寺院が全焼した。所属宗派が公開した現場の写真には、焼け残った鐘だけが写っている。文化財に指定されている石仏など、一部の所蔵品は事前に別の寺院へ運び出されて無事だったという。

火事によって焼け落ちた寺院=韓国・慶尚北道/Jogye Order of Korean Buddhism
慶尚北道の安東市にある世界文化遺産、河回(ハフェ)村にも火の手が迫り、住民が避難した。消防士らは村の伝統的な家屋を守ろうと、周囲で放水を続けた。
韓悳洙(ハンドクス)首相は記者会見で、近年の韓国で最悪の火災となり、「未曽有の被害」が出ていると述べた。
現場では乾燥した強い風が吹き、消火活動が難航した。25日には安東市などの住民に避難指示が出た。義城と安東の火災の鎮火率は、26日の時点で68%とされる。
韓国では例年、特に雨の少ない2~4月に山火事が起きやすくなるが、韓氏によると今年の発生件数は244件と、昨年の2.4倍に上っている。