ミャンマー地震、国軍トップが国際社会に支援要請 異例の動きである理由
(CNN) ミャンマー第2の都市の近郊で発生した大規模地震を受け、軍事政権のトップ、ミンアウンフライン国軍最高司令官が国際社会に異例の支援要請を行った。
ミンアウンフライン氏は28日のテレビ演説で、「状況把握のため一部の被災地を個人的に訪問した。すべての方に対し、力を合わせて進行中の救援活動を支援するよう呼び掛けたい」と表明した。
さらに「非常事態を宣言して国際支援を要請した」と続け、インドから支援が届く見通しだと説明。「どんな組織や国であれ、我が国の困窮した国民を支援しに来るのであればぜひ歓迎したい」とも述べた。
ミンアウンフライン氏によると、ミャンマー中部ネピドーでは少なくとも96人が死亡、他の地域でも数十人が命を落とし、負傷者は少なくとも732人に上る。「犠牲者はさらに増える見通し」だという。
今回の動きが重要な理由:ミンアウンフライン氏の支援要請は、地震の被害が深刻であることを示す。ミンアウンフライン氏は国際刑事裁判所(ICC)が逮捕状を請求している人物であり、同氏の軍事政権が国際社会と協力するケースはほとんどない。
ミンアウンフライン氏は「タトマドー」の名で知られる強力なミャンマー国軍のトップ。国軍による2021年の実権掌握以降、軍の指導者として国を統治している。ICCの主任検察官は昨年、迫害を受ける少数民族ロヒンギャに対する犯罪の容疑でミンアウンフライン氏の逮捕状を請求し、100万人を超えるロヒンギャが国外避難を強いられたとの推計を示した。ICCはまだ逮捕状の請求を承認していない。
軍事政権はインターネット接続を厳しく制限しているほか、国内のジャーナリストへの締め付けも強めている。